公認会計士試験の難易度って高い?
筆者おってぃは監査法人で働く現役の公認会計士です。
医者・弁護士と並ぶ
三大国家資格として知られる公認会計士ですが、
「何かよく分からんが難しそう…」
「具体的に何がどう難しいの?」などなど
分からないことが多いですよね。
結論からいうと、難易度は高いです。
でも実態を知らずに、
難し“そう”だから諦めるのは
非常にもったいないです!
公認会計士試験は年齢も学歴も地頭も何も関係ない、
誰にでもチャンスが与えられている試験なのです。
公認会計士試験ってどんなもの?
公認会計士試験は全部で3回あります。
受験要件はなく、赤ちゃんからお年寄りまで誰でも受験可能です。
①短答式試験(マークシート式・年2回:12月と5月)
②論文式試験(記述式・年1回:8月)
③修了考査(記述式・年1回:12月)
①に合格してから3年以内に②に合格しなければ、
また①から受験し直す必要があります。
なお、③の修了考査については
実務経験後に受ける試験ですので、
ここでは割愛します。
流れとしては、
①②に合格後、監査法人で3年ほど経験を積む
③に合格すると「公認会計士」と名乗ることができる。
働き始める前に受かっておかなければならないのが①②ですが、
最低2年は腰を据えて勉強する覚悟が必要です。
そして恐ろしいことに、
この難関試験に合格してやっと
会計業界のペーペーになれるのです。
では、俗にいう公認会計士試験①②について、
少し掘り下げます。
公認会計士試験の合格率
早速ですが、まずは
①短答式試験、②論文式試験の合格率をみてみましょう。
直近3年間の結果は左表のとおりです。
論文式試験の難易度が易しく見えているかもしれませんが、短答式試験の突破者のみが受験した上での3割と考えるとなかなか厳しいのが分かって頂けるかと思います。
短答式試験は「〇〇点以上で合格」という絶対評価形式、
論文式試験は「偏差値〇〇以上で合格」(=上から順に〇〇人が合格)という相対評価形式で採点が行われています。
ただ、短答式試験にはお試し受験(本当は来年合格目標だが、試験慣れのためにも受けておく等)も相当数いるため、
本気受験者の合格率はもう少し高いと考えられます。(残念ながら裏付けるデータはありませんが…)
では、この試験は具体的にどこがどう難しいのでしょうか?
公認会計士試験はなぜ難易度が高いのか?
試験の難しさには色々ありますが、
大まかに「範囲の広さ」、「内容の難しさ」の
2点に分けられると思います。
この点、公認会計士試験は
「範囲が広く」「内容が難しい」上に
「短期決戦」であるため難易度が高くなっています。
短答式試験
短答式試験は以下の4科目で構成されています。
①財務会計 ②管理会計 ③企業法 ④監査論
①②で日商簿記1級以上の知識が要求され、
③④は会社法や監査基準などの法規の暗記が膨大です。
マークシート方式です。
論文式試験
論文式試験は以下の6科目で構成されています。
①会計学(財務+管理)②企業法 ③監査論 ④租税法 ⑤選択科目
①②③は短答式試験と同じ科目ですが、
論文式試験は記述式ということもあり、
より深い知識が必要とされます。
④租税法については
法人税・所得税・消費税が範囲とされており、
税理士試験よりかなり易しいです。
しかし、それなりに専門知識が求められますし、
短答式試験にはない新科目ですので、
短期間でマスターしなければなりません。
⑤選択科目は経営学・経済学・統計学等からの選択ですが、
大体の人が経営学を選択します。
それほど難易度は高くありませんが、
やはり新科目ですので短期勝負になります。
まとめると
短答式試験:4科目を1度に合格しなければならない
論文式試験:科目合格があるものの、三振の可能性がある
・1次試験である短答式試験の難易度が高く中々受からない
・受かっても論文式試験に落ちてしまい、また短答からやり直す羽目に、、、
こうして、勉強を始めてから2年でさらっと受かる人もいれば
10年勉強しても短答に受からないといった人もいるのが現状です。
公認会計士試験の合格者ってどんな人?
こんな難しい試験誰が受かるんだよ!と
思った方も少なくないでしょう。
しかし前述のとおり、
誰にでもチャンスがあるのがこの試験です。
・受験要件がなく、
・ほとんどの人が初めて習う科目の試験ですので、
多くの受験者のスタート地点は同じなのです。
短期派は試験突破できる?
唯一言えるとすれば、
短期間ガっと集中して勉強できる人は
合格する可能性が高いでしょう。
長期間かける人が無理だとは言いませんが、
不利であることは事実です。
長期派は難易度が高い
なぜならば、
仮想通貨やコロナウイルスなど、世間の情勢を受け、
会計基準は常に改正されているのです。
長期間勉強していると、新たな論点や、
不要な論点がどんどん出てきてしまうのです。
難易度に惑わされないで
いずれにしても公認会計士試験合格は
あくまでスタートラインに立つための試験です。
その先の、出世・転職・独立などを見据え、
自分が勉強を続けられる期間や予備校代などを考え、
計画的に目指す必要があるでしょう。
「頑張れば誰でも受かる!」なんて甘いことは言いませんが、
みなさんの判断の一助となれば幸いです。
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